本格的に引越し業者に依頼をするほどの荷物もないし、便利屋さんで十分ではないかと思う人もいるかもしれません。
実際に、便利屋さんのなかには引っ越し作業を行うことができるということを、アピールしているところも少なくありません。
しかし、ちょっと待ってください。
厳密にいいますと、便利屋が引っ越しの業務をすべて請け負うということは法的にはできないのです。
引越し業者のメインの仕事というのは、お客様の荷物をトラックに積み込んで、転居先に運ぶことになります。
実は、このお客様の荷物をトラックで運ぶという行為は、誰もができることではないのです。
お金をもらってお客様の荷物を運搬するためには、国土交通省より運送業者としての認可を受けなければならないのです。
許可のない業者がそれを行うと、モグリの業者として処罰の対象となります。
許可を受けた業者のトラックのナンバーが緑なのに対して、許可を受けていないモグリの業者のナンバーは白であるため、俗に「白ナンバー」などと呼ばれたりします。
便利屋というのは、運送業者や引越し業者のように日常的に荷物の運搬業務を行うわけではありませんので、正式に国土交通省の認可を受けているということは、まずないはずです。
そのため、便利屋がお客様の荷物を積んだトラックを運転することは、違法行為となるわけです。
それでは、なぜ便利屋は営業品目に「引っ越し」を入れているのでしょうか?
実は、便利屋の提供する引っ越しに関する業務というのは、あくまでも「お手伝い」にすぎないのです。
つまり、荷造りをしたり、家具などをトラックに積み込んだりといった仕事を、便利屋が行うことができるということなのです。
そのため、荷物を積み込むためのトラックなどはレンタカーなどを利用して自分で用意しなければなりませんし、そのトラックを便利屋が運転をするということもできません。
ですから、引越し業者に依頼をせずに便利屋で済まそうと考えている人は、自分でトラックを調達して転居先まで運転する覚悟が必要になります。
あるいは、一般の運送業者のトラックを運転手付きでチャーターして、荷造りと積み込みだけを便利屋に依頼をするという方法もありますが、そこまでするのであれば、すべての作業を引越し業者にお任せしてしまったほうがいいと思います。